温度
 
料理のコツ


 ├ 切る
 ├ 茹でる・煮る
 ├ 焼く
 ├ 炒める
 ├ 揚げる
 ├ 蒸す
 ├ 電子レンジ
 ├ 固める
 ├ おいしい温度

温かいおみそ汁はおいしいのに、冷めると味が落ちてしまうのは、なぜ?
「おいしい温度」を覚えて、料理の腕をさらに磨こう!
●温度が味を左右する?!
人間の味覚は、食べものを口に入れたとき、その食べものの温度で味の感じ方に大きな変化が起こります。しかもその感じ方は味の種類によりさまざまです。そのため、ある温度ではおいしいものでも、冷めるなどして温度が変わると、味の感じ方は非常に複雑に動きます。そこで味のバランスが崩れ、まずいということになるのです。ということは、料理は、おいしく感じる適温で食べることがもっともよいということになります。
●小さな温度差が生む、大きな違い。
温度の高低がおいしさに響きやすいのは、スープ類や飲み物などです。この場合、おいしく感じるためには、ある程度温度の刺激が必要になります。その温度は体温との差が25度以上あることが条件で、冷たいほうは12度以下、熱いほうは62度以上です。ただ5度以下になると冷たすぎるので、あまり味を感じなくなります。また熱いほうでは、75度以上になるとやけどをするといったことになりますので、これもよくありません。なお濁りスープのようにどろりとしたものは、62度ではやけどをしますし、おしるこのように甘味の強いものがおいしく感じるものでは、50度台の温度のほうがおいしく感じます。また清酒のかんも熱すぎるとアルコールがツンときてよくありませんから、少しぬ るめにします。
●保温の工夫でおいしさ長持ち!
おいしく食べるためには、それぞれの料理に適した保温の工夫も大切です。
《温かいもの》
・厚手の食器を使用し、その食器をあらかじめ温めておきます。
・清酒のとっくりは、下をはかまに入れるだけで、冷め方がずいぶん違ってきます。
・料理を出す直前にオーブンから出す、などのちょっとした気配りも心がけましょう。
《冷たいもの》
・サラダなどは容器ごと冷やし、ドレッシングも冷たくしておくと味よく食べられます。
・飲みものは、氷を直接入れる場合と、トマトジュースのように缶ごと冷やし、氷を直接入れないものがあります。

●おいしい温度の具体例
●くだものでは
生温かいくだものは、甘ったるくてさっぱりとしていません。くだものは冷たいほうが味がよく、適温は10度以内です。ただしバナナのように長く冷やしておくと皮の黒くなるものもあり、こういったものは食べる数時間前に冷蔵庫に入れます。果 汁や野菜ジュースも同様よく冷やします。
●汁ものでは

(みそ汁)
みそ汁は冷めると塩味が強くなり、とがった感じになります。またみその香りも温度が低すぎると半減してしまいます。ですから、みそ汁は熱いほうがおいしいというわけです。また、粕汁やけんちん汁なども、みそ汁に近い、高い温度のほうが味よく感じます。

(お茶)
番茶は熱いほうが、また甘味を楽しむ玉露などよいお茶は、ぬるめの50度くらいのほうがおいしく感じます。

(吸いもの)
うま味は少しぬるいほうがよく感じます。

(スープ)
具が何も入っていないものほど温度が高いほうがよく、濁ったものほど低めのほうが適しています。しかし透明なスープもせいぜい60度くらいで、これより高いとうま味がよくわかりません。

●サラダでは
生野菜は温まるとしんなりして、シャキシャキとしたよい歯ざわりが失われてしまうので、よく冷やしておきます。また、サラダボウルがあたたかいと、せっかく冷えた野菜も温まってしまうので、注意しましょう。
●清酒では
ふつうはよくかんをしますが、かんは人肌程度といわれるように、40度から50度の間くらいがおいしいようですが、人によってかなり開きがあるようです。好みのあたたかさを温度計で覚えておくとよいでしょう。なお、2合とっくりのほうが液の量 が多いので、冷めにくいという利点があります。
●ワインでは
(白ワイン・ロゼ)
よく冷やし、10度くらいにすると味よく飲めます。少し甘味のあるのが、冷やすことで爽快な味になるからです。

(赤ワイン)
酸を多く含んでいるので、冷やすと酸味を強く感じます。また、温度が低いと赤独特の香りがうまく出ないので、冷やさずに室温に置くのがよいでしょう。しかし夏など、高温多湿の地域では、赤ワインも冷やしたほうがおいしく感じる場合もあります。

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